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歯って移植できるの?? *閲覧注意

更新日:8月29日

歯を抜いた後、条件が合えば抜いたところにご自身の歯を移植することができます


今まで多くの患者さんにこの治療法の説明をしてきましたが、ご存知の方はほとんどいらっしゃいませんでした。

その理由はこの記事の最後の方に記載します。


まずはこちらの矢印の歯ですが、レントゲンやマイクロスコープで診断すると、金属の下が虫歯になっている可能性が高いことが分かったため、患者さんに説明したところ金属を除去することに同意いただけたため、金属を除去していきます。

この金属の歯に痛みや腫れる、しみるなどの患者さんの症状はありません。



マイクロスコープを使って金属を除去していきます。






金属の下に人工的な土台が残っており、この土台の下が虫歯になっていることが非常に多いため、マイクロスコープを使用して慎重に土台を除去していきます。




エキスカベーターという小さなスプーンを使用して虫歯を除去していきます。



この小さなスプーンで除去できる部分が虫歯になります。

虫歯は細菌の酸により脱灰している(溶けている)ため、非常に柔らかくなります。


柔らかい部分には虫歯菌がいることが過去の研究・論文により実証されています。


残念ながらこの金属の下の歯は虫歯の進行が重度で、全ての虫歯を取り切ると歯を抜く治療になることが分かりました。

患者さんに、虫歯をわざと残してかぶせものを入れるか、歯を抜いて別の治療に切り替えるかこちらの動画を用いて説明したところ、歯の移植治療を選択されました。


歯を抜いた後の治療方法の種類は、また今後こちらのブログでも紹介させていただこうと思います。


まずは、先ほどの虫歯が大きい歯の抜歯を行います。




そして歯の移植を行います。

移植する前とした後の比較をしますと




このような治療になります。


移植する歯のサイズも適切に選択でき、歯並びもほぼ理想的な位置に移植することができました。かみ合わせも良好です。

今後も慎重に経過を観察していきたいと思います。



歯の移植は、処置時間が長引くほどくっつかなくなり移植した歯は脱落します

また歯の大きさはそれぞれ違うので、うまく合うように歯の形を整えたり骨の形を調整したりすることが必要になります。

また歯にダメージを与えないように抜歯したり、上顎洞という空洞や下歯槽神経という神経や隣の歯の根っこを損傷しないように計算して骨を切削する、移植してきた歯を適切に固定したり、反対の歯との咬み合わせを確認したり、、、と注意するポイントは他にもまだまだあります。

よって治療難易度が非常に高く敬遠されがちな治療になります。


そのため歯の移植治療を行なっていない歯科医院がほとんどで、治療の説明はないことが多いのではないかと思います。

よってこの治療をご存知の患者さんはほとんどいらっしゃいません。


しかし、この歯の移植治療(自家歯牙移植術)はご自身の天然の歯を用いるため、インプラントと違って矯正して動かすこともできますし、難治性であるインプラント周囲炎になることもありません。

何より歯を多く残すことができますので、歯を抜くかどうするか考える際に、とても有効な治療方法の1つであると当院では考えます。

今までこの治療ができなかったら、入れ歯になる方はたくさんいらっしゃいました。本当に素晴らしい治療方法だと思います。


当院長西川は今まで250本以上の歯牙移植治療の実績があります。現在も歯科の研修会に年間数十日参加しております。

ご興味がある方は当院までご連絡ください。


しかし歯を移植したからといって全てうまくいくとは限りません。



こちらは他院で歯牙移植された患者さんなんですが、うまくいっていないとこのようになります。




残念ながら、この移植された歯は抜け落ちました

移植治療は治療成功率を上げるポイントがたくさんあるので、注意しないと長持ちしません。


しかし、治療を適切に行なって注意深く定期検診でチェックを続ければ、数十年持たせることができ得る治療です。


先日、ある患者さんから質問をいただきました。

なぜ先生のところだけ、こんなにいろんなことができるんですか?」と。


理由は非常にシンプルです。

私は他の業種のことは全く分かりません。

日本の歯科医療において技術力を上げるには、国家試験合格後どれだけ自分の時間お金投資して、休みの日に継続的に歯科の研修会に参加し、名医と呼ばれる先生に歯科治療を直接教えていただき、練習、実践、振り返りを真摯に行ってきたかどうかだと思います。

専門書や最新の論文の検索・チェックも当然行います。


なぜそこまでするのか?

目の前の患者さんが より健康になって欲しいから、です。

歯科医師にとって最優先すべきこと患者さんの歯の健康で、自分のことは2の次、3の次でないと、この仕事を続けることはできず、そもそも他者奉仕である医療の仕事に向いてません。

それぐらいの覚悟がないと辞めて違う仕事をした方が良いです。患者さんが被害を受けます。


参考までに過去の当院長研修会履歴は↓こちらです。



歯科の研修会は非常に高額です。1回参加するだけで数万円かかります。高額なものでは1回参加すると20万円以上かかるものもあります。

半年〜1年間の勉強会コースに参加すると受講料だけで100万円以上かかるものも珍しくありません。


ですので、「研修会に参加したいけど参加できない」という気持ちは痛いほど良く分かります。

国家試験合格後、継続して研修会に参加して勉強されている先生は10%以下と言われています。


私が勤務医の時は、いただいた給料の50%〜70%を、歯科の専門書購買と研修会の参加に充てていました。それでも受講料、研修会会場までの交通費、宿泊費が足りないので、卒後5年ほどは勤務先の先輩の歯科医師の先生や院長先生、金融機関から数百万円のお金を借りて、研修会に参加しておりました。

研修会に参加し、できるようになった良い治療を患者さんに行い、患者さんからいただいたお金でさらに歯科の勉強に投資する、練習する、実践して振り返る、さらに勉強する、ということをただひたすら今日まで続けてきただけです。


なぜこんなに継続して勉強しないといけないのか?


10年前の歯科治療と現在の歯科治療、どちらの方が優れていると思いますか?

勉強している先生と勉強していない先生、どちらの先生の治療を受けたいですか?


あなたはどう思われますか?


当院のスタッフには口酸っぱく言っていることがあります。

自分がされたら嫌なことは患者さんには絶対にするな


私は自分が患者さんの立場なら、勉強・練習・努力していない先生には診てほしくありません。

ですので私はこの仕事を続ける限り勉強・練習・努力を続けます。


歯科治療技術において、過去の努力は絶対に裏切りません。学んだ技術も盗まれることはありません。


医療という仕事はミスが許されず、成功して当たり前という世界です。

1人の患者さんの1本の歯を救うということは大変なことです。


「お金がなくて研修会には参加できません。週末は飲みに行って休日はゴルフに行くので研修会なんて行ってられません。自分が最善とは思わない治療だけど、患者さんにはやる。でも自分や家族がされたら嫌な治療。」


こうなったらもう終わりです。患者さんが被害を受けます。これはもう医療ではありません。

こうなったら私は歯科の仕事を辞めます。


つい熱くなってしまいました。


もしご自身の歯のことで相談したい方がいらっしゃったら、当院では現在1ヶ月に10名までは無料相談させていただいております。

現在当院の診療時間内の予約が数ヶ月先まで埋まっておりますので、申し訳ありませんが診療時間外の時間で相談させていただいております。

実際に診査診断を希望される場合は、別日に来ていただいてお口の中の資料どりさせていただきます(現在税込6600円頂いております)



当院では、1人の患者さんにこちらの移植治療のような精密治療を長時間行っておりますので、電話に出られないことがあります。

留守番電話にお名前と電話番号とご用件を入れていただければ、後ほど必ずご連絡させていただきます。

お手数をおかけしますがどうぞ宜しくお願い致します。


2024年8月現在では歯牙移植治療税込11万円で行なっております。今後値段変更の可能性がありますのでご了承ください。

また歯牙移植が適応かどうか詳しく診査診断する必要があります。



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