今回は前歯の金属除去のケースを紹介します。
前歯に金属?
どこにあるの?
そう思われた方もおられるかもしれません。
裏側からの写真をご覧ください。
こちらは前装冠(ぜんそうかん)と呼ばれる、かぶせ物の一種になります。
金属のかぶせ物の表面にプラスチックが貼り付けてあります。
患者さんは右上の歯がたまに腫れるということで、レントゲン写真とマイクロスコープで診査診断したところ、かぶせ物の下が虫歯になっている可能性が非常に高いことが分かったため、患者さんに説明したところ、除去を希望されたため、治療を開始していくことになりました。
患者さんにはこの歯に痛みはありません。
かぶせ物を除去する部位は◯で囲んだ部分になります。
いつものようにマイクロスコープを使用してかぶせ物を除去していきます。
かぶせ物がすぐ外れました。
歯とピッタリくっついていないことが分かります。実際はこんなに簡単に外れません。
外したところは食べかすがいっぱい詰まっていました。
奥のかぶせ物も外していきます。
かぶせ物が揺れています。
明らかに病的な状態です。通常歯は指で動かそうとしても動きません。
こちらもかぶせ物がすぐ外れました。
歯とピッタリくっついていないことが分かります。実際はこんなに簡単に外れません。
前のかぶせ物と同じく、外したところは食べかすがいっぱい詰まっていました。
かぶせ物を全て外すとこのような状態でした↓。
実際の動画をお見せします↓
虫歯がすごいことになっています。
前歯の金属の下は このようになっていることがほとんどです。
虫歯治療に金属を使ってはいけないのです。
なぜ歯に金属を入れてはいけないか↓
全ての虫歯を除去すると抜歯になることを患者さんに伝えました。
このような状態になると、治療方法は2種類になります。
①抜歯して部分入れ歯かインプラント
②虫歯をわざと少し残して再度かぶせ物治療を行う。ただし痛みや腫れが出てくることがあったり、かぶせ物が外れやすいことがある。(虫歯の部分と接着剤はくっつかないため)
患者さんは②を選択されました。
もともと痛みもない状態だったので、なんとか取り切れるまで虫歯を除去し、歯の土台も作成し、その日のうちに仮歯を作って装着しました。
1時間30分ほどかかり、かなりの長時間治療になりました。
1ヶ月ほどは仮歯の状態で安定しておりましたが、3ヶ月ほど経過したとき、土台ごと全て外れてきたとの電話をいただき、来ていただいて確認させていただいたところ、
このような状態でした。
このようになりますと、残念ながら抜歯になります。
患者さんに説明し、抜歯した後、入れ歯作成となりました。
残念ながら懸命な治療の甲斐なく歯がもたないケースもあります。
大切なことは
痛みがない のと 虫歯ではない のは全く関係ないということです。
虫歯は痛みなく進行します
そして歯に痛みが出てきた場合、歯の神経を取るか抜歯になるか どちらかになることが多いです。
大切なことは 虫歯になりにくい環境にすること です。
金属治療をしない
安易にプラスチックをつめない
正しく歯みがきできているか
虫歯になりにくい歯並び
虫歯になりにくい食生活
などです。
患者さんは歯の素人のため、どのようにすれば虫歯になりにくいかは知る由もありません。
歯みがきの仕方、選んでいる歯ブラシの種類、歯磨き粉、歯ブラシの交換頻度、使用している歯間ブラシの種類など、全て自己流です。
そこに科学的な根拠は一切ありません。
虫歯になるのは何か理由があります。
歯医者さんに何回治療に行ってもまた虫歯になる
そんなお悩みを持たれている方、当院までお気軽にご相談ください。
当院では非常に精密な診療を1人の患者さんに対して長時間行なっているため、手が離せず電話に出られないことがあります。
その際は留守番電話にお名前・電話番号・ご用件のメッセージを残していただくようお願い致します。
ご不便をおかけすることがありますが、どうぞ宜しくお願い致します。
もしご自身の歯のことで相談したい方がいらっしゃったら、当院では現在1ヶ月に10名までは無料相談させていただいております。
現在診療時間内の予約が数ヶ月先まで埋まっておりますので、診療時間外の時間で相談させていただいております。
相談希望の方は当院までお電話か問い合わせメールをお願い致します。留守番電話になればお名前・電話番号・ご用件を入れていただければ、あとでこちらからご連絡させていただきます。
実際に診査診断を希望される場合は、別日に来ていただいてお口の中の資料どりさせていただきます。(現在税込6600円頂いております)
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