あなたは名医の歯科医師って見分けられますか?
歯科医院はコンビニより多いと言われております。
我々はプロなので、歯科医院のホームページなどを見ればすぐに分かります。
患者さんにもよく言われます。「歯医者はいっぱいあるからどこが良いか分からない」
確かに私も他の業種で「おすすめのところは?」と聞かれてもさっぱり分かりません。
まず、日本に歯科医師は何人いると思いますか?
日本に歯科医師は約10万人います。
2024年の時点で日本の人口は約1億2000万人ですので、総人口の0、083%となります。
日本人の約1250人に1人が歯科医師になります。
ちょっとした豆知識でした。
世間的には日本の歯医者は多い、減らすべきだという風潮があります。
実際に多いのかどうかはまた別の機会に書きたいと思います。
さて、今回「名医の条件」ということで、現役歯科医師がこっそり 腕の良い歯科医師を見分けるポイント たった1つ お教えします。
それはズバリ
海外のメジャーな歯科学会(特にアメリカ)に継続して参加している歯科医師
です。
意外だったでしょうか?
優しい
話を聞いてくれる
手先が器用
勉強熱心
歯科医院の設備が充実している
出身大学が国立で名門
何代も続く歯科医院の先生
など思われた方 いらっしゃったでしょうか?
優しくて話を聞いてくれる先生で、抜かなくて良い歯を抜かれても大丈夫でしょうか?
削らなくて良い健康な歯を削られても平気ですか?
もちろん優しくて話を聞いてくれることも非常に重要だと思いますが、患者さんの症状を見抜いて、的確な指導・処置を行うことも必要になります。
手先が器用 これは確かに大切ですが、何百回、何千回、何万回と練習すれば自然に技術は上達します。
中途半端に手先が器用だと勉強や練習をしない可能性があり、個人的には非常に危険だと思います。
今まで名医と言われる先生を数多く拝見してきましたが、勉強・努力されていない先生は1人もいらっしゃいません。それどころか未だに専門分野の勉強・練習を貪欲にされており、頭が下がります。
勉強熱心であるに越したことはありません。歯科医師として当然の素養だと思います。
歯科医院の設備が充実していても、設備や機器を使いこなせているかどうかはまた別です。どんなに素晴らしく最新の器具でも、1ヶ月に1回も使わないような器具があっては意味がありません。
また、出身大学や代々続く歯医者と名医かどうかは、無関係と言ってもいいほどあまり重要ではありません。
そもそもやる人間はどこの大学出身だろうが、ほっといても勉強、練習しますし、患者さんのことを最優先に考えています。
研修会・学会・勉強会・セミナーに参加して知識のアップデートは当然必要です。
自分だけの知識・経験・技術は、たかが知れています。
ちなみに認定医・専門医と言いまして、ある特定の分野の認定資格があります。
もちろん素晴らしいものなのですが、受講するだけでもらえる資格もありまして、どの資格がかんたんにもらえるものかどうかは患者さんには見分けられるはずもありません。
また歯科は総合医療でして、
予防治療
虫歯治療
入れ歯治療
根管治療
歯周病治療
矯正治療
インプラント治療
などなど、ある分野だけ学んでも他の知識・技術・経験が足りないと、総合的には足りない部分のレベルに引き下げられてしまいます。
例えば、セラミックをいくら上手に装着することができても、虫歯を完全に取り切れていなければ、それは不完全な治療ということです。
虫歯を完全に除去できてセラミックを装着することができても、かみ合わせをしっかり理解できていないと、かみ合わせが高いのか・低いのか・適正なのか・どこを調整すれば良いのか全く分からず、これも不完全な治療ということです。
当然ですが、歯科医師国家試験に合格してもこれらは正確には全く分かりません。何もできません。
国家試験合格後にどれだけ勉強するかです。
全ての歯科分野を標準レベル以上にするのが非常に重要です。
さて
日本の歯科大学とアメリカの歯科大学 どちらの方が教育レベルが高いと思いますか?
日本の歯科医師とアメリカの歯科医師 どちらの方が腕が良いと思いますか?
日本の歯科の研修会とアメリカの歯科の研修会 どちらの方が最新の情報が聞けると思いますか?
残念ながら医学・歯学の中心は西洋で英語圏の国になります。
一説によるとアメリカでは日本の教育の1000倍の費用をかけていると言われています。優秀な学生も留学先でアメリカに集まりやすく、そこで結果を出すと母国よりも条件の良い労働条件を提示され、そのままアメリカに残る方も少なくなく、結果として優秀な人材がアメリカに集まりやすい環境となっています。
残念ながら日本の大学はトップ20位に入っておりません。
日本が誇る東京大学で29位でした。(世界大学ランキング2024より)
この現実を我々日本人はしっかりと受け止める必要があります。
そして、最先端の歯科の情報はどうしてもアメリカに集まりやすいです。
これは都会と田舎の学校で、大学入試で大切な情報は都会に集まりやすい側面と似ているように思います。
大切な情報というのはイコールお金ですので、マーケットが大きい市場・国にどうしても集まります。
日本だけの情報を過信すると日本のガラケーと同じような状況になり、考え方が非常に偏りがちになります。
日本だけの情報とアメリカをはじめとする世界の情報
どちらの方が規模が大きく
研究費用が多く
データ数が多く
客観的な情報だと思いますか?
考えるまでもありませんね。
歯科も同じで、日本だけの研修会の内容というのは非常に偏った内容のことがあり、肯定的な情報と否定的な情報のどちらも知った上で、情報を吟味する必要があります。
現実として、日本で受ける歯科のセミナーではアメリカで行われた7〜8年前の内容を行なっていることも珍しくありません。
そして海外の学会にわざわざ1週間ほど病院を閉めて行くような先生というのは、「患者さんを良くしたいという情熱」や「歯科に対するやる気」が尋常ではありません。
なぜなら参加するためには、
①参加費が高額
②講演内容は全て英語
③航空チケットの手配が必要
④海外滞在先のホテルの手配が必要
⑤医院を1週間ほど休診にする必要がある
この①〜⑤のハードルを越える必要があります。
患者さんにより良くなってもらいたいということで、これら①〜⑤の犠牲を厭わない歯科医師は実はとても少ないです。
海外まで勉強しに行くのは、全体の歯科医師の1%以下だと思います。
正確な数は分かりませんが日本に500名もいらっしゃるのかな・・・といった状況だと思います。
また蛇足になりますが、海外の学会に参加するような先生は、当然ですが日本国内の研修会には多数参加経験があり、知識・技術は豊富に持っている先生しか見たことがありません。
手前味噌になりますが、当院長西川の研修会履歴になります。
またどのような思いで今まで研修会に参加してきたか、は↓になります。
アメリカのメジャーな歯科学会(参加人数が多い学会)に長年継続して参加している歯科医師は、まず間違いなく知識・技術が豊富の可能性が非常に高いです。
名医の条件として ここは外せない条件の1つだと思います。
ちなみに本当にすごい神様のような歯科医師は海外に勉強しに行っていることを患者さんにも誰にも伝えず、当たり前のように毎年継続的に参加され、得た知識・技術を自院の患者さんに当たり前のように提供されています。
私は自分のことを名医だとは決して思っておりません。
少しでも近づけるように日々研鑽を続けております。
当院長西川はガラパゴス化せず世界の歯科の標準レベルになれるように、定期的に海外の学会に継続して参加しております。
今年も2024年10月31日〜11月3日にアメリカ歯周病学会(アメリカ サンディエゴ)に参加するため、当院は休診となります。
患者さんに最良の医療を提供するため、ご理解の程宜しくお願い致します。
今後も皆様に役立つような情報発信していく予定です。
Comentários